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大阪高等裁判所 昭和55年(行コ)63号 判決

控訴人(原告) 有限会社泉北コミユニテイ 外一名

被控訴人(被告) 近畿郵政局長

主文

本件控訴を棄却する。

控訴費用は控訴人らの負担とする。

事実

控訴人らは、「原判決を取消す。被控訴人が昭和五四年四月七日控訴人らに対し郵業認第五〇三号を以てなした泉北コミユニテイ(泉北ニユータウン版)に関する第三種郵便物不認可処分を取消す。訴訟費用は第一、二審とも被控訴人の負担とする」との判決を求め、被控訴人は、主文と同旨の判決を求めた。

当事者双方の主張及び証拠の提出・認否は、控訴人らが甲第二一及び第二二号証を提出し、被控訴人が右甲号各証の成立を認めたほか、原判決事実摘示のとおりであるから、これを引用する。

理由

当裁判所も控訴人らの本訴請求は理由がないと判断するが、その理由は、原判決理由説示のとおり(ただし、原判決八枚目表二行目の「被告は」を「被控訴人が」に改める)であるから、これを引用する。郵便法二三条三項三号にいう「発売」とは、定期刊行物を閲読する目的で受領する者において、その対価的出捐をなす場合をいうのであり、発行者以外の者が広告料その他の名目で発行費用の全部又は一部を負担していても、閲読の目的で受領する対価として出捐していない場合は含まれないと解すべきである。

そうすると、原判決は相当であつて、本件控訴は理由がないから、これを棄却し、控訴費用の負担につき、民訴法九五条本文・八九条・九三条一項本文を適用して、主文のとおり判決する。

(裁判官 坂上弘 大須賀欣一 吉岡浩)

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